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「災害アーカイブぎふ」の皆様には、第7回「伝」と第8回「伝」で行った災害アーカイブワークショップでたいへんお世話になりました。そのご縁から「災害アーカイブぎふ」 の荒川さんに活動の様子などを紹介願えないでしょうかとお願いしたところ快諾いただき、今回の寄稿の運びとなりました。感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 「伝」ブログ投稿①

「災害アーカイブぎふ」の活動紹介① こんな活動をしています

 みなさん、こんにちは!「災害アーカイブぎふ」の荒川です。これから3回にわたって、私たちの活動の様子や活用しているツールについて紹介します。ご参考になれば幸いです。


 「災害アーカイブぎふ」は、過去の災害を記録した資料を入手して、現在の防災を考えるワークショップなどに活用するとともに、未来に伝える活動をしています。



 わたしたちの活動は、写真など過去の災害を記録した資料を入手し、デジタル化して保管・活用するという流れで行っています。


 資料の入手には二通りあります。

 ひとつ目は、地域の自主防災組織などから、防災活動としてワークショップをやりたいという相談を受けた場合です。この場合には、その地域で過去に起こった災害でワークショップのテーマにしたいものを決めていただいて、その災害の写真などを地元で探していただきました。当時の資料を探すところから地域の防災活動を始めるわけです。

 ふたつ目は、資料が見つかったことが先行する場合です。たとえば県庁や市役所に「災害記録ないですか?」とお尋ねしたら、たくさんの災害記録写真を提供していただいた、ということがありました。


 資料のデジタル化と保管には二つの工程があります。

 ひとつ目の工程は、紙焼き写真やアルバム写真などをスキャナでスキャンしたりデジタルカメラで撮影したりして、デジタル画像データを作成します。

 ふたつ目の工程は、マップに登録することです。「eコミマップ」というシステムを使って地図上に写真撮影場所などを登録します。登録された地図や写真は、

インターネットで見ることができます。


 これにより、過去の災害でどこでどんなことが起こったのかを分かりやすく伝えることができます。また、ハザードマップや地形状況を表した土地条件図などのマップと重ね合わせて写真撮影場所などを見ることができるので、どのような地形の場所でどのような被害があったのかを考えることができます。「eコミマップ」の活用については、第3回の記事で紹介します。


 資料の活用方法として、主なものは二つあります。

 ひとつ目の活用は、ワークショップです。

 ワークショップでは、まず過去の災害写真などをeコミマップで見て、どこでどんなことが起こったのかをみんなで確認して話し合い、同じ災害が起こったら自分たちの街はどんなことになるかをイメージします。

 次にeコミマップでハザードマップや土地条件図、標高図などで自分たちの街の地形状況を確認して、同じ災害が起きそうになったら、どのように行動する(避難する)のがよいかをみんなで話し合います。

 ここ数年は、新型コロナの感染拡大防止ということで、大人数で集まって作業するのは避けたほうがよいということで、ZOOMのようなオンライン会議の仕組みを使ってワークショップを行うことが多いです。


 ふたつ目の活用は、パネル展です。

 過去の災害写真や体験談を掲載したパネルを作成し、会場に展示します。ワークショップと違って、日時を特定しないで一定期間内にいつでも見てもらうことができるのが利点です。また、人が密にならないので、新型コロナの感染拡大防止にもなります。

 「災害アーカイブぎふ」では、1891年(明治24年)に岐阜県で発生した内陸直下型で最大の濃尾地震による被災写真のパネルを作成しました。最初は震災紀念堂という濃尾震災の犠牲者を慰霊する施設で開催するために作成しましたが、 1回限りではもったいないということで、他の会場でも展示しました。その際には展示会場の地元の状況を伝える 「ご当地パネル」も用意しました。


 そのほか、小学校の副読本に写真を掲載して活用されたこともあります。地域ワークショップや地域史を記録する冊子への掲載など、いろいろな場面でも使えそうです。


 「災害アーカイブぎふ」ではこのような活動を繰り返し、資料のアーカイブも順に充実させてきました。「伝」も写真や地図を活用した活動を計画されていると伺っていますので、今後の展開が楽しみですね。



 

荒川さんありがとうございました。

第2回は2月27日(日)、第3回は3月1日(火)公開予定です。



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