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「災害アーカイブぎふ」の皆様には、第7回「伝」と第8回「伝」で行った災害アーカイブワークショップでたいへんお世話になりました。そのご縁から「災害アーカイブぎふ」の荒川さんに活動の様子などを紹介願えないでしょうかとお願いしたところ快諾いただき、今回の寄稿の運びとなりました。感謝の気持ちでいっぱいです。3回目となる今回は「eコミマップ」についての紹介です。

 

「伝」ブログ投稿③

eコミマップで地域の情報共有 「災害アーカイブぎふ」の活動紹介③

 今回は、インターネットで地図情報を閲覧できる「eコミマップ」の紹介をします。

 「eコミマップ」は、過去の災害を記録した写真などの資料を位置情報とともに表示するもので、どこでどのようなことが起こったかということが確認できます。一般的には「WebGIS」と呼ばれるシステムのひとつです。

 eコミマップは、「災害アーカイブぎふ」ホームページでも公開していますので、操作体験ができます。

・地図の表示位置を移動

  地図の中央あたり(①)をドラッグすると、地図の表示位置が移動します。

・地図の表示範囲を変更(拡大・縮小)

  地図左端の拡大ボタン(②)をクリックすると、図が拡大表示(詳細に表示)されま    す。

  地図左端の縮小ボタン (③)をクリックすると、地図が縮小表示(広域に表示)されます。

・写真などの情報の表示

  地図上のアイコン(星印)をクリックすると、その場所の写真などが表示されます。

  写真撮影位置が明確にわかっている場合は赤い星印で、写真撮影位置がだいたいこのあたりしかわからない場合はグレーの星印で表示しています。


 また、浸水深を現地で表示した看板(浸水位表示板)の位置や、ハザードマップや地形状況を表した土地条件図、昔の地形図(元の地形がよくわかる)などのマップも表示できるので、過去の災害写真のような被害がどのような地形の場所で起こったのかを考えることができます。

・表示する情報の変更

 地図左側の一覧表のチェックボックス (⑤)をクリックすると、クリックした情報を表示したり、表示しないようにしたりできます。

災害が起きたエリアがどのような形をした土地なのかは、eコミマップの平面地図ではわかりにくいかもしれません。そのような場合は、eコミマップだけでなく、別途、3D地図(立体地図)を使うのもひとつの手です。

 立体地図は国土地理院が公開している「地理院地図」で簡単に表示することができます。



ワークショップでは、次のような場面でeコミマップを活用することができます。

  ①地形図や標高図などで対象地域の地形を確認する

   ・平らな平野なのか、谷の出口なのか、山中の谷底なのか など

  ②ハザードマップや土地条件図などで、災害の危険性を確認する

   ・洪水時に浸水しやすい土地なのか、山地から土砂が流出しやすい土地なのか、

    地震で揺れやすい土地なのか、津波で浸水しそうな土地なのか など

  ③災害当時の写真や現在写真を対比して、災害時にどのようなことが起こったかを確認  する。

   ・川の氾濫で家が流された、地震で建物が倒壊した、津波で建物が流された など

  ④浸水位表示板や津波到達標識の所在を記録した地図などで、災害実績範囲を確認する

   ・この場所ではこの高さまで浸水が達した など

  ⑤みんなで話し合った体験談や災害時の行動を、地図に書き込む

   ・わたしは、避難指示がでるまでに、ここに逃げる

    この道は浸水しやすいので、避けて通る

   ・大きな地震が起きたら、わたしはこの高台に逃げる

    途中、ひとり暮らしのおばあさんの家を通って声掛けする など

  ⑥ワークショップで作成した地図を、公開する

   ・ワークショップに参加できなかった人にも、こんなことを話し合ったよと伝える

   ・学校の防災授業などで若い人たちに過去の災害や災害時にどう行動すればよいかを    伝える

   ・(毎年など)定期的にワークショップの振り返りを行い、何年もの未来に過去の災害を伝える


 「どこで」を表示するeコミマップと、「いつ」を表示するタイムライン(前回の記事で紹介)を組み合わせることで、過去の災害がどのように進行していったかを表現し、記録することができます。

 ワークショップのツールとして、また未来に伝える道具として、これらを活用してみてはいかがでしょうか。



 

「災害アーカイブぎふ」の荒川さんに3回に渡って寄稿していただき、災害アーカイブワークショップについて学ぶことができました。荒川さん、ありがとうございました。










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